2011年の東日本大震災に際し、鎌倉フェローシップは中国青年リーダー招聘プログラムと、被災地におけるボランティア活動とを連動させ、東日本大震災復興日中友好プログラムとして、真の日中文化交流・友好に資するように準備を行い、実行致しました。

中国から青年を招聘し、被災地でのボランティア活動に従事してもらうことは、たとえ本人の強い希望があったとしても、地元の方々に迷惑をかけないようにすることや、他の日本人ボランティアとのチームワークが非常に大切であることを考えると、とても慎重にならなくてはいけない面がありました。

ビザの発給や、ボランティア作業に従事中の保険をどうするかという問題に始まり、日本人と一緒に仕事をする時の日本語の能力の問題や、被災地の方々と交流する時のコミュニケーション能力の問題など、そして本人の外国の大災害に対する意識の持ち方や手伝いたいという熱意の度合いなど、さまざまな懸念事項を徹底的に検討して、「この青年ならば」という質資を持った中国籍カザフ族のバルス君(当時26)の招聘が決定しました。

バルス君は期待通り、あるいはそれ以上に、日本への愛情と被災地復興への情熱をもって東北に赴き、夜は0℃以下の小学校体育館に寝泊まりして、ガレキ除去やチビッ子たちとの交流に全身全霊であたってくれました。バルス君は来日直前に日本語検定1級の試験に合格している程の、言語能力と持ち前の明るい性格で、被災地の方々との交流も円滑で、地元ではちょっとした人気者になりました。

帰国後バルス君は持ち前の日本語と東北地方でのボランティアで培った日本人との共同作業経験を活かして現地の日系企業での仕事が始まりましたが、東日本大震災ボランティアについてのジャーナルをまとめ、招聘プログラム中の研修の成果として当財団まで寄稿してくれましたので、本サイトに掲載致します。